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 情報憲章
 Information Charter

 

 2020年、社会情勢によりオンライン化が急激に進み、インターネット社会は次世代の移動通信システムを前提とした高度情報社会にパラダイムシフトしようとしている。「高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」というコミュニケーション環境が実現し、さらなる情報の高度化が求められるようとしている今、新たな情報社会の形成に寄与貢献するよう、以下の指針を定める。

第1条 情報の基本的な性質を尊重して情報を扱う。
情報の基本的な性質とは「即時移転性」「平等性」「公開性」「自由性」「結合性」「階層性」である。

*別途『情報の基本性質』を参照

第2条 俊敏と公開の精神を持ち、今ある知識を閉じ込めずに出す。
知識を取得する(input)のみならず、それを即時に公開する(output)ことが肝要である。これは「即時移転性」「平等性」「公開性」の原則から見ても明らかである。

第3条 既存のヒエラルキー対立構造認識を超えた、双方向の情報交流を常に心がける。
あらゆるコミュニケーションにおいて、既存のヒエラルキー対立構造認識ではない、新たな意志疎通に基づく概念構築が必要となり、その概念の共通認識を前提として、常に双方向の問いと答えが起きるように働きかけることが肝要である。例えば、講師は教えることで学び、受講者は問いかけることでの情報の精査が可能となる。双方向に互いを高め合うことにより、既存の概念の限界を突破することが可能となる。これは、統合知によるところの開放系コミュニケーション成立の醍醐味でもある。

第4条 最新のデジタル・テクノロジーを活用しながらコミュニケーションを行う。
インターネットなどを媒介してコミュニケーションを行う際に、最新のデジタルソフトウェアやSNSなどのテクノロジーを活用することで、より高速に情報交流を行うことが可能となる。これを実践することにより、デジタル・テクノロジーそのものの発展に寄与できる。

第5条 最新の科学を用いて情報を検証する。
情報の真偽の判断においては、反証可能となるよう、最新の科学に基づく検証を常に行う必要がある。ただし、特定の科学に偏重しないためには、既存の科学にとらわれないものの見方を養うことが肝要である。それには、現代科学を超えた統合知があることを認識した上で、神話、物語などに基づく類比(アナロジー)的手法を用いる必要がある。

第6条 最新の科学を用いた情報の検証を情報リテラシーの基礎とする。
非科学的で、反証可能性を持たないプロセスによって生成された情報が肥大化すると、その根拠、情報源、伝達経路が判断できないため、その情報がデマや虚偽である可能性を受信者が払拭できないという現象が発生する。それにより、大衆心理を通じて、社会不安の増大を招く。
情報を正しい科学的なプロセスによって辿れるかどうかを検証できるリテラシーを、必要となる各人が持っていれば、そもそもそのような情報に合意することがない。その場合、デマや虚偽である情報の伝達は成立せず、受信者に不安が生じることもない。

第7条 人類の共有財産である物語の形式を大切にし、新しい神話を創造する。
科学の体系の根本は、神話という物語を神話知にすることによって形成され、それはさらに、自然科学、社会科学、人文科学などの各分野として確立されてきたといえる。これらをひとつの知に統合することは、これからの時代においての科学分野での役割であり、類比(アナロジー)に基づいて精緻に対象を見つめ、伝承コミュニケーションとしての物語、神話を紡ぐことの実践に繋がる。

第8条 固有知識の情報発信を尊重する。
固有知識を情報として発信する行為は、尊重されなければならない。それは、情報の基本性質「公開性」「自由性」に関連する。

第9条 固有知識の合意により、共有知識を成立させる。
固有知識が情報として発信され、また、コミュニケーションによってその情報に関する合意が形成されることによってはじめて、共有知識が成立する。
知識の属人化を防ぐためにも、積極的に情報発信することが肝心である。

第10条 新しい時代のコミュニケーション・プラットフォームを整え、新しい社会の合意形成を創造する。
高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性の実現に向けて、移動通信方式の世代(Generation)が次々と新しく台頭する高度情報社会においては、合意形成もまたデジタル化、最小細分化され運用される。
情報の基本的な性質を活性化させるためにも、新しい時代の合意形成を創造することは有用なことである。また、合意が形成される場所を整えていくことでコミュニケーション・プラットフォームを進化・成長させていくことが重要である。

第11条 情報に関連する概念の各階層を整理する。
「情報の基本的性質」における「知識と情報の違い」の記述でも具体例を示したように、情報に関する個々の用語を明確に定義する必要がある。なおかつ、階層知の理解・認識に基づく、各階層の概念とそれらが持つ意味をはっきりと区分けすることによって、階層を混在させることなく精緻に扱うことが可能となる。「知識」と「情報」の定義は、そのわかりやすい例である。

第12条 「真・智・善・喜・美」を各階層において相互通信させる。
ここに掲げる「真・智・善・喜・美」は、ギリシャ時代からの西洋哲学の概念「真・善・美」と、インドのヴェーダーンタ哲学の概念「真・智・喜」を統合することによって生まれた。
真となる情報は、諸々を結びゆく智となり、また、倫理や心のありようとして善となり、情緒として喜びとなり、そして体現できる美となる。これらはそれぞれ、互いに自在に通信し合う。それは創造の仕組みを表わす、「情報」「エネルギー」「物質」を頂点として示される三角形においても同様である。こうした相互通信は、品位のある新たな社会文化の創造へと繋がる。

第13条 「真・智・善・喜・美」「俊敏と公開」を基礎に品位をもって表現する。
「俊敏と公開」を基礎に据えることで、その時に心がけること、目指すものが品位であり、品位ある表現の実現のためには、一方的ではなく、情報を「いかがですか」と、提供し続け、その価値を問いかけ続ける精緻な客観視を伴う姿勢が大切である。
発信者は、発信する情報を受け手の立場も包括した三人称視点から精査することで、表現の品位を高めることが可能となる。

第14条 情報が持つ匿名的性質を理解する。
情報においては、発信者自身が出元を秘匿することが可能となる特性がある。情報は出元が特定されないために、時には、防衛のため自らを隠すために有効であるが、一方で、隠れた上で他者を攻撃することも可能となる。この秘匿性の有効性と危険性を認識することは重要である。発信者は一般社会通念上で通用する倫理を持って情報を発信し、常に情報の受け手を意識し、受け手の立場に立って発信することを心がけることである。

第15条 情報の創出において、工業的生産手法「短期」「大量」「超高速」「高品質」を取り入れる
万人が認め納得する、偏重の無い情報をあまねく行きわたらせるためには、新しい時代のパラダイムに合わせて、工業的生産手法にならって情報を波及させる必要がある。さらに、それを最新の情報技術や、AIの進化を踏まえた上で、実践していくことが重要である。

付則
この憲章は、2020年4月27日から実施する
2020年5月1日改定
2020年7月9日改定