十種神寶とは
「十種神寶」とは、古の時代、天皇にだけ許された「器の教え」である。それを本来の帝王学と呼んでもよい。一般的に知られる帝王学は、財閥の御曹司や事業家向けのものであり、運命学の域を出ることがない。一方、真の帝王学とは皇学のことをいう。つまり、皇学の根拠をなすのが「十種神寶」であるといえる。日本には古来、数千年もの長きにわたって帝王学の元になる学問、すなわち十種神寶の教えが連綿と受け継がれてきた。十種神寶とは、死者の魂を蘇らせ現実を自在に創造するもの、一国の隆盛を操作できるほどの霊力の備わった神器である、と伝えられる。しかしその真髄は秘中の秘であるために、歴史上、決して表に現されることはなかった。
なぜなら、真の帝王学とは、本来国を統治し、ひいては世界を平安清明へと導くにふさわしい者のみに、一子相伝で授けられてきた門外不出の教えであったからである。天皇には「天の王」と表されるように、日本の国を守るのみならず、世界、地球、宇宙の自然法則を司り、天地万物、生きとし生けるものを統べる王としての役割がある。
つまり、天と地を結び、今この瞬間に神を迎える器としての存在が、本来の天皇の姿であった。そのため、真の帝王学「十種神寶」は、天皇ご一人のための学問であり、「器教」の極意として然るべき時期が来るまで秘蔵されてきたといえる。
そこで重要な役割を担ってきたのが、平安中期の一〇四六年より幕末までのおよそ八〇〇年の間、神祇伯として天皇家の祭祀を司ってきた白川伯王家である。白川家は代々の皇太子が天皇になるための教えとして、十種神寶の器教を御法という形にまとめ、その中身を伝承してきた。そして、十種神寶御法を中心にした修行や祭祀などを通じて、神を自ら体感するに至る道、作法を伝えてきたのである。
◇瀛津鏡(おきつかがみ):宇宙の真の相を過去・現在・未来にわたって映す働き。 ◇辺津鏡(へつかがみ):人と天然の真実の姿を過去・現在・未来にわたって映す働き。 ◇八握剣(やつかのつるぎ)虚と真を判別する働き。 ◇生玉(いくたま):宇宙創成の意志を産む働き。 ◇足玉(たるたま):宇宙に必要な全ての存在が満ち足りていく働き。 ◇死返玉(まかるがえしのたま):宇宙に存在したものが破壊してまた創造の源に帰る働き。 ◇道返玉(ちがえしのたま):宇宙の創造、維持、帰趨を恒常化する働き。 ◇蜂比礼(はちのひれ): 広がった悪想念を鎮魂する言霊の働き。 ◇蛇比礼(おろちのひれ): 呪詛を吹き送る言霊の働き。 ◇品物之比礼(くさぐさのもののひれ):幽顕全ての存在を有らしめ、知ら示す言霊の働き。
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